PERSONA3



注意
:「side主人公」と「side綾時」のセリフは同じです。
    どちらから読んでも構いません。もちろん片方だけでも。笑
    通じてるような通じてないような二人をお楽しみ頂けたら幸いデス。DEATH









それは11月30日の放課後。
日が沈むのがはやくなり
頬を撫でる風が冷たく感じるようになった
クラスメイト達が消えた教室で、
僕はひとつ溜息をついた。
今日もこれからやらなきゃいけない事がたくさんある。
生徒会に顔を出して、ポロニアンにも行っておかないといけないし
晩はタルタロス・・・。
他にも気になる事がたくさん・・・。

さすがに手一杯、かな・・・。





黄昏チョコレート    side.主人公





ここに転校して来る前もじっとしている事はなかったけど
今年の忙しさは別物だ。
今になってツケが回って来たのかも。
この状況に少し疲れている・・・と、気付いてしまった。
昼休みにあけたポッキーの残りを取り出し、先を少しかじる。
チョコレートの甘さと苦味が口の中に広がった次の瞬間、
くわえていたそれが、ふっと目の前を通り過ぎていく。
「いっただっきまーす!」
「・・・・・・・・!」
それを追った視界に入ったのは、
いつの間にかそこにいた綾時が
僕の食べかけのそれを美味しそうに食べる姿だった。
「・・・・・綾時、お前、また・・・。」
「だって、君が食べてる物って美味しそうに見えるんだもの。」
「・・・・・そんな事、はじめて言われた。」
美味しそうどころか、
『いつの間にか食べ終わってる。』とか。
『何、それ、美味しくないの?』とか。
『もっと美味しそうに食べればいいのに。』とか。
そんな風に言われる事の方が多かったのに。
ここに来てからどうも違う反応が返って来る。
「そう?僕にはとっても美味しそうに見えるけど?」
そういうと綾時は横から手をのばし、
まだ少し残っているポッキーを取っていく。
「いつもなら放課後すぐ居なくなっちゃうのに、
 珍しくのんびりしてるんだね〜。」
「・・・・・まぁ、たまにはね。」
「ふ〜ん・・・。さすがの君もお疲れなのかな?」
「そりゃあ、僕だって疲れるよ。」
そう、疲れてる。
たぶん、精神的に疲れてる。
もしかしたら、これは肉体的な疲れより厄介かも。
「だったら少し休めばいいんじゃない?
 そんなに頑張らなくてもいいと思うけど?」
まるで僕の心を知っているかのように綾時は言った。
心の中のもう一人の自分と同じように。
・ ・・そこで僕は、こんな時いつも繰り返して来た言葉を口にした。
「・・・・・今頑張らなくて、何時頑張るのよ?」
「・・・・・・・・!」
その言葉に綾時は目を丸くした。

そりゃそうだよね。
自分でも可愛げのない言葉だと思う。
これまで何度か同じ様な事を言われたけれど、
(大人からの方が多かったか。)
その度、この言葉を口にした。
もちろん言葉のままを思ってのことじゃあない。
本音半分。嘘半分。
ただこの言葉でこの話に“ピリオド”が付けられたから。
そして、それを聞いた人は皆決まって言った。
「君は本当にすごいね。」
「しっかりしているね。」
それをどう受け取られるかと言うのは
どうでもいいことだった。
この話を終わらせる事が出来れば。
きっと綾時も皆と同じ様に言って、この話は終わるはず・・・。


「・・・君のそれは、まるで逆の意味に聞こえるね。」
「・・・・・・・・?」
「あぁ、言葉の選択がおかしいか・・・。
 何て言うのかなぁ。頑張らない方法がわからない、というか・・・
 それをやめたら生きてることさえ出来ない、というか・・・。
 まるで“生きる=頑張る”みたいな・・・
 ちょっと痛々しい感じ、かな・・・?」
「――――――――!」


驚いた。
それははじめて突かれた僕の本心だったから。


そう・・・10年前のあの日から。
僕は時間の空白が怖かった。
何もすることがないとどうしても浮かんで来る
途切れ途切れのあの日の記憶と、
目の前にある現実が。
まるでそれに内側から食い荒らされていく様な気がして。
そこから逃げ出したくて。
それに目を向けなくていいように
時間を埋める物を望んで作った。
学校も。
勉強も。
クラブも。
人との関係さえも、そうかもしれない・・・。
そして、いつの間にかわからなくなった。

どうやって休むんだっけ?



『頑張らないで生きるって、どういう事?』



そんな事を思いながらも、休もうとは思わなかった。
どうにも時間が埋まらない時は
好きな音楽を聴いて気を紛らわして。

闇の中で自分が食い散らかされる様な
あの時間よりはマシな気がして・・・。


そして、いつの間にか
自分の中のそれも気にならなくなってた・・・。



黙り込んだ僕に綾時は少し慌てて言葉を続ける。
「・・・また、表現がおかしい?
 それとも、何か気に障ること言っちゃった・・・?
 だとしたら、ゴメン!
 ・・・でも、何か、胸がこう、
 一杯になっちゃって・・・。」
「・・・・・・・・!」
綾時のその言葉に急に恥ずかしくなる。
綾時には見透かされているのだ。
自分の逃亡願望を。
しかも言葉を失くした僕がそれを証明してしまっている。
そう思った途端綾時の顔を見てられなくて
僕は思わずその場に突っ伏した。
「え?何!?どうしたの?
 ・・・まさか、泣くほど傷ついた!?
 ねえ!それならそう言ってよ!
 黙ってられたらわかんないよ〜!」


違うよ。
僕のどうしようもなく不器用な所に
あまりにも君がまっすぐに入って来るから。

こんなにも恥ずかしいのに、
どこかホッとして、
泣けてくるのは何故だろう?


何も言えなくなって。
突っ伏したままの僕の頭を
突然綾時が優しく撫でた。
「・・・・・・・・!?」
「ゴメンネ・・・。」
頭を撫でられるなんて何時振りだろう・・・。
というか、別の意味で恥ずかしくて思わず声をかける。
「・・・・・・何してるの?」
「何って・・・悲しみに頭を垂れる人の
 頭は優しく撫でるものでしょう?」
「・・・・・・・・。」
それはおかしい、と、言えなかった。
綾時があまりにも満足気で。
「あれ?また僕おかしな事言った?」
そう言いながら綾時は撫でる手を止めなかったから
僕はその感触に心を任せる事にした―――――。












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“ポッキーを食う野郎二人”がやりたかっただけ;
「黄昏ポッキー」にしようかと思ったけど
グ○コの回し者みたいなのでやめました。笑


子供がね。
他人の食べ物を欲しがってる様は可愛いでしょう?
あーん、とか言って。口をあけて。
あ?そうでもない?

あと、子供が親の頭撫でたり。。。(そこかよ!



・ ・・いつの間にか、いやしい子になったうちの綾時くん。
他のネタでも主人公の食ってるモノを奪って食ってます。笑
攻めで甘え上手なんて卑怯だ〜!爆